リラックスするということ
今日あるミロンガで、アルゼンチン人男性とブラジル人女性のカップル、ダニエラとルイスが教えるというのでレッスンに間に合うように行った。今までの経験では単発のレッスンに行ってもすぐ忘れてしまうので、行かないのだが、今日はなぜか行くべきだという気がして行った。
ここのミロンガ前のレッスンはだいたい少し遅れて始まることが多いので、ちょっと遅れて行ってみると、何だ何だ、受講者が、うーん、50人、いやそれ以上いるじゃないか。おかしいなぁ、そんなに有名な先生じゃないはずなんだが。 そしてレッスンはすでに始まっていた。
しかし、ちょっといつもと違うぞ。最初の練習は、男女カップルになり、お互い手の甲で「気」を感じる練習。自分の意思でも、相手の意思でもなく、「気」の意思に従って動いてみましょうという、何となくニューエイジな、気功のような、練習だ。次は、両手で軽く押し合って、動きましょう、みたいな練習。その次は、タンゴのオープンぎみのエンプレイスだが、男性の右手は女性の背中から浮かせて、空間を包み込む感じでリードしろという、難しい注文。ということが段階的に進んで、最後は普通のクロースエンブレイスで踊ることになる。いずれにせよ、ステップを教えるのではなく、気構えを教えるという、応用範囲の広いレッスンだった。(ステップを教えないことに不満な受講者も結構いた模様。)
要するに彼らが伝えたかったことをまとめるとこうなるようだ:
- 体はリラックスさせる。特に腕と手。必要以上に力をいれない。
- 男性は女性を力づくで動かすのではなく、向かってほしい所に空間を開けて、「招待する」
- いきなり招待しても間に合わないので、行ってほしい方向をあらかじめ指し示しておく
- 男性は女性の動きが終わるのを待つ
- 男女とも、踊っている時は相手のことだけを意識する(いい女(男)はいないかと、きょろきょろしないこと)
だが実際にミロンガでこれを実践するのは難しい。特にオレ達男性は、周りを見てぶつからないようにしなければ行けない。次のリードをどうするかも考えないといけない。するといつのまにか手や腕に力が入る。リラックスしなくっちゃ、何て考えていると余計に力んだりもする。酒を飲めばリラックスするかと言うと大間違いで、何も考えずに踊るので、力を入れる悪い癖もそのままだ。ああ、タンゴは、難しい。