2006年9月、東京ミロンガ放浪記
9月の東京出張で、また日本のミロンガに行く機会が何回かあった。そのうち印象深かった二つについて書く。
9月8日(金) に行ったのは、全日空ホテル・アークヒルズ向かいの、ZERO HOUR(ピアソラの有名な曲名らしい)。実はここ、以前2回行ったことあったが、その時は、たまたまなのか人数少なく、仲間うちでしか踊らないという雰囲気だったので、あまりいい印象を持たなかった。だが、最近ここは大幅な改装を行い、雰囲気が変わったというので、行ってみた。
白の部屋、黒の部屋と名付けられた二つ部屋ができていた。黒の部屋は壁に黒の布が張られ、床もやや焦げ茶色。白の部屋は、白い壁で、床も白っぽい木で、外が見える。そして、黒では伝統的タンゴ、白ではオルタナティブタンゴが流れるという面白い趣向。伝統的な曲で踊り飽きたら変わった曲で。あまりに変わった曲で踊るのに疲れたら、伝統的な曲で、とその時の気分で使い分けられて便利である。しかし、どちらかというと白の方が人気があるようで、黒の部屋では、3組しか踊ってない、という事態も時々発生していた。どちらも床は木でできていて、踊りやすい。
ミロンガ開始時は、女性が圧倒的に多く、オレにとっては天国だった。が、そのうち男性が増えて来て、途中でほぼ半々になる。なぜか、黒の部屋は、男性が余り気味だった。これは、女性はオルタナティブが好みということか、それとも単にこのミロンガに来る女性は年齢層が若く、若い人はオルタナティブを好みがちなので、こうなる、ということだろうか?
このミロんガ、もうひとつ気に入ったのは、ダンスフロアーが禁煙ということだ。アメリカのミロンガはお国柄すべて禁煙なので、そういう所に慣れているオレには、東京やブエノスアイレスのミロンガでは、煙がとても気になる。特に東京のミロンガ会場は、ブエノスアイレスに比べて天井の低いので、煙がこもるので困る。ここは禁煙なので大変助かった。
そして、このミロンガは、価格破壊ミロンガだ。2,500円1ドリンク付きが相場の東京ミロンガ界において、Zero の金曜日は、1,500円でしかもドリンク付きだ。これなら、気楽に入れる。エライ!(ただし1,500 円は金曜日だけなので、注意されたし。)
てなわけで、オレは、Zero が大変気に入り、今度の出張の時も金曜日は Zero と決めた。
Zero から二日後の、9月10日、日曜日。この日は、タンゴイベント大きいのだけで3つあったが、オレは時間と懐の都合で、竹芝にあるディスコイベント会場らしき Dash G で行われた Tango Night というミロンガへ。フライヤー提示割り引き付きでも男性3500円という、サンフランシスコでは考えられない高価な入場料にびびる。最初にあった初心者対象のレッスンにとても多くの人が参加していたので、これはやばい、踊れる人少ないのか?と思ったが、踊れる人は、レッスンの後にやってきた。当たり前だ。主催者が、ドレスコードあり、と脅したのがきいたのか、それとも場所柄ななのか、皆結構、ドレスアップしている。男性でも背広やタキシードの人がたくさんいた。(暑い日だったのにご苦労だ。)
この晩の感激は、生演奏をした女性3人男性1人という珍しい編成のタンゴバンド、
Chicos de Pampa (http://www.chicos-de-pampa.com/)。とても歯切れのいい、ダリエンゾ風な、リズムをはっきり刻む演奏で踊りやすい。実は、あまりに踊りやすいので、いつ CD から、生演奏に切り替わったのかわからなかったぐらいだ。サンフランシスコで活躍している、特に名前は伏せるが、いい加減なタンゴバンドより百枚上手の演奏であった。これなら3500円出しても文句は無い。日本のタンゴ界も侮りがたし。